2018/11/25 15:25

帽子のメッシュ生地のお話しです。


帽子本体の通気性を高めるためにサイドやバックパネルに使われる、あのメッシュ生地です。

大量生産型ベースメーカーが作るものだと硬めのナイロンメッシュが使われる事が多いのですが、velo spica では通気性・デザインはもちろんヘルメットのインナーとしてのかぶり心地も考慮して、柔らかめのポリエステルメッシュ生地をもっぱら使うことが多いです。


たかがメッシュ、されどメッシュです。
私自身、ライド・フィールドテストをするようになって、このメッシュの重要性には改めて気付かされます。
高通気性や速乾生地による汗抜けの良さなどの性能は、単純に「蒸れない」「涼しい」など快適性を高めるという以外に、
汗垂れを防ぐ、帽子内での汗のコントロールにも関係してきます。汗止めバンドで吸収した汗は、吸収出来る水分の限界量に達すると今度はつばや帽子本体へと浸透して行くのですが、高い吸汗速乾性能を持つメッシュを使うことでより浸透しやすく乾きやすいメッシュ方向に水分が移動して行きます。これによってある程度、汗が垂れて来るのを防ぐ効果があります。

ちなみにうちの汗止めバンドは、以前は汗を吸収する事に特化した速乾パイルを使っていましたが、汗止めに求める性能に対するそもそもの考え方が変わり、

× より多く吸収する →  ○ 汗止め自体速乾、かつ帽子本体の速乾パーツへ汗を移す。

と言う考えで作っています。
帽子の内側にある汗止めバンドよりも外にあるパネルの方が乾きやすいのは当然と言えば当然です。

理想としては顔の前に全く汗が垂れてこないことです。
空気抵抗の強い自転車でのライドの場合は比較的乾き易いので良いですが、ハイクなどでは実際はかなり難しいです。
この辺りの性能は、帽子の構造・パターンも含め今後改良していければ良いです。
出来たとしてもちょっとオーバースペックな気もしますが。


ところで、、、
昨年辺りからアウトドア界隈のメーカーさんで採用される事が一気増えたこちら↓のメッシュ生地。



パタゴ◯アのダック◯ルのメッシュ生地として人気になりました。
(うちでも"Pig Snout Camp Caps"は、このメッシュを使っています。)

この生地は目下トレンドではありますが、そろそろいい加減に別な生地に替えようかと思います。
みんながやり始めると途端に止めたくなる性分です苦笑。




沢山の種類の中から機能やデザイン面で新しいアピールのある生地、そしてユーザー様から希望・ご要望をフィードバックしたものなど数点
に絞って、ここからサンプル製作に向けて練っていきます。

サンプルと言えば、メリノウールのキャップのサンプルを作ってます。
かなりヤバイものになりそうですので是非ご期待下さい。サンプルはじきに上がりますが、発売は年1月末頃を予定しています。