2019/12/18 17:52

僕は速さにあこがれる。ウサギは好きだがカメはきらいだ。
ところが、親父たちはカメに見習えというのだ。カメの実直さ勤勉さ、そして何よりも「家」を背中にくっつけた不恰好で誠実そうな形態が、親父たちの気にいるのだろう。
もともと親父たちにとって速度は敵だったのだ。
ピエール・ルーソーは....
「引用:寺山修二」


自転車だったり、ハイクだったり、ランだったり、シリアスにトレーニングをされている方が周りにも多い中、ワタシときたら体力不足で、自転車漕ぐのは早くもなければ大した距離走れない。お恥ずかしい限りです。


そんな私でもフィールドテストを口実に去年からなるべく、時間を見つけては、長い距離を走るようにしています。
またそれが数少ない楽しみになっていたりもします。

結局のところ楽しんだ者勝ちな訳だし、その上でフィールドから沢山のインスピレーションやフィードバックを得られるんだから、それはそれは素晴らしい事。
製作(仕事)とフィールド(遊び)の相互作用のスパイラル。




この一年、帽子製作に関して色々な変化がありました。

やり方を変えると今まで気付かなかった事に気が付いたり、どれだけ、色々な人に助けてもらっているかを、今更ながら感じたりします。


製作をメインでやる(量産を自身で行うこと)のと、デザイン・企画をメインでやる(職人さんに製作を外注する)のでは見えているものが違ってきます。

テキストでは伝えにくい。仮に字面で表せても現場の感覚みたいなものや葛藤などをちゃんと伝えられるだけの語彙が私にはありませんので無理にテキストにするのはやめておきます。





たった一人で何千個も量産をやってきた事と、一旦製作から離れ、少し俯瞰で企画のみに徹する事と、
両方やってみて分かってきた事もいくらかあって、それは自分にとっての強みでもあるのかと思います。
テクニカルな事や対外的な折衝は抜きにしても、色々ある。ほんと色々ある。


自分はどっちに向いてるんだろうとか、どっちが儲かるんだろうとか、どっちが楽かなとか、邪念にまみれて考えたりしますが、


結局のところ、
それでもやっぱり自分は、
ただのクラフトマンでありたいと思う。


製作担当と企画・デザイン担当というタスクを行ったり来たりしている自分だけに、どっちが良いとか悪いとか、上とか下とか全く無いニュートラルな感覚の場所に立っているように思います。



だからでしょうか、今までと違った想いで、真摯にモノづくりに打ち込めるようになってきたと感じています。

それが製品の背後にちゃんと見えてくるように、もっと深く、もっととことん追求して行かなければ、と胸に秘める今日この頃です。



世の中バランスだと良く言いますが、その通りだと思います。

勢いがあることは圧倒的な速さみたいに人を魅了します。僕は勢いがある人や燃えてる人は応援したくなるし、正直あやかりたいとも思います。

でも今の自分自身に置き換えると話しちょっと違ってくるように思います。

速さを目指すと、なんだか気ばかり急て、頑張って、空回りしてしまうこともあります。

時には地に足を付けて、ゆっくりと、俯瞰で物をみる事も重要なのだと感じさせられます。

速さにもあこがれるけど、なんだかほんの少しだけ"自分"や"ブランド"が見えてくると、そこもバランスかな、と。


んん。
今回のブログ、内省かつ根暗ですw


さて、
話しは変わりますが、今週の日曜日7月7日から 新作 Canopy のオンラインでの販売をスタートします。時間等はSNSとブログで追ってお知らせしますのでチェックしといて下さい!!


(2019年7月初旬の記事ですが、2019年 12/18日加筆・修正しました)