2020/08/29 08:21

まず、、、
ブログ自体がかなりお久しぶりになってしまった事をお詫び致します。

コロナ禍の中、日々、様々な情報が飛び交い、変に不安を煽られる事も。
世の中のこれまで隠れていた問題が露呈したり、逆に今まであったのに活用しきれていなかったモノやテクノロジーが脚光を浴びたり。身の回りに起きる変化の加速度が増したように感じます。
僕ら個々人においても、何が本当に大切で、何が不必要か、取捨選択を迫られる場面に直面する事もあったかと思います。


個人的にも2020年に入ってから色々な変化 (幸いコロナは関係ありません) がありまして、少しだけ多忙な日々を送っております。
そんなわけでブログ更新がままならず、、、というのは只の言い訳ですm(_ _)m
この辺りのことは、また回を改めてお話し出来ればと思っております。
他にもブログネタが溜まりに溜まっていますので、少しづつアップしていきますので、お時間があれば、その都度お付き合い頂ければ幸いです。
それでは早速行きたいと思います。

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ここからは、先日インスタグラムでアップした内容と重複しますが、『LEFTOVER FABRICS』の目指す本質的な部分に触れている内容ですので、こちらにも再度書かせて頂ければと思います。加筆・修正している部分も多々ありますので、インスタグラムをご覧頂いた方も懲りずにどうぞご覧いただければ、と。




"ステッチの色"


お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、見えている部分のステッチは同じ色です。実はシーズン生産毎にこの糸のカラーは統一されています。

初回生産分のステッチカラーは”白” でした。今回は赤にしてみました。帽子本体のベンチレーションホール(本体にある6箇所の通気穴)の穴かがり糸も同じ糸が使われています。

ステッチの色がアクセントになっていておしゃれだとお褒め頂く事もあります。純粋に嬉しく思います。

ただ、この糸のカラーを統一しているのには、もう一つ理由があります。

今回はその事について詳しくお話しさせて頂きます。




ワークウェアなどでは今でもよくある糸替えの手間を省き、1種類の糸で縫い上げる、あのラフな感じを敢えて出したくてこういった仕様にしました。昔のハンドメイドのサイクリングキャップなどでもよく見かけました。ネガティブな言い方をすると、実用品として、または量産・生産効率を上げる為のある種の「手抜き」、「雑さ」、とも言えます。


「VELO SPICA INTERNATIONAL」で作っているものと分けて考えた時「LEFTOVER FABRICS」はそのくらいのラフな、リラックスした感じを出せればと考えてます。

高機能素材とか、特殊なパターンとか、職人の超絶技巧とか、そういったものじゃなくて、肩肘張らない少し気の抜けた感じ。

この“LEFTOVER FABRICS”シリーズに関しては、必要十分以上にお金や手間を掛けてハイスペックでラグジュアリーなものを作るのは、そもそもおかしな話しだと思っていて、見えない部分に関しては手は抜かずしっかりとした仕事はしますが、(そもそも残布での製作は必要以上に手間がかかります。)余計な付属パーツを増やしたりせず、ピスネームも廃し、内タグもお馴染み簡素なペーパータグ。

残布をプロダクトとして再生させる為に、これ以上更に余計な付属品を大量発注するのは、私なりに考えて辞めました。

(今後このシリーズで、ロゴやタグを付けるとしても布を使わず直接シルクプリントか転写マークかなと思ってます。シルクはプリントする生地を選ぶから後者が有力)


また生地の色に合わせて毎回糸替えしなくて済みますので、纏まった数が作れるとは限らない残布の場合は特にこの事が意味を持ちます。細かく色数の増えてしまった製品でもまとめて一気に縫っていく事が出来ます。また小さなハギレをでも余す事なく使い切れるメリットが出てきます。 

糸を替える手間を省いた分、作業の工程が減りますので、製造する側にとっても優しい仕様です。無理なく継続して生産していける事も重要です。

これも持続可能性。残布をプロダクトに再生させる事もまた持続可能性だと、考えています。



余談ですが、

それが世の中にとって良い事かどうかという問題は別にして、残布を使ってものを作るのは大変非効率な事です。それと効率を優先する為に用いられる縫製方法、という相反する要素を掛け合わせてこのプロダクトが作られている事が、私にとっては面白いと感じるポイントだったりもします。


仕様に関して、考え方に繋がる部分は以上のような感じです。『Leftover Fabrics』責任のあるものづくりとは。~ 其の二 ~ では、何故このシリーズをやるのか、そのきっかけや意味についてお話し出来ればと思っております。『Leftover Fabrics』に対する私なりの考えは何回かに分けてお話しさせて頂ければと思っております。暇で時間を持て余している時や、何となく気が向いた時にでも流し読みでもして頂ければ幸いです。