2021/07/29 16:25
2021SS新作からつばの仕様が変わりました。
正確には、つばの中に入っているつばの形を保つための『芯材』が変わりました。

↑ ブリムシールには "FLIP UP SYSTEM" , "FLEX VISOR" の文字。
生地に包まっていて見た目には違いが分からないパーツだけに、この仕様変更をする必要性やメリットについてこの機会にちゃんとお話ししておこうと思います。
敢えてブリムシールまで貼ってアピールするのには、ちゃんと理由があるんです。

そして velo spica のキャップに使われている素材、デザイン、ディテールは隠れた部分でも、ちゃんと全てに理由があって作られている事を知って頂けると幸いです。世の中に似たようなデザインのキャップが溢れてしまっている今だからこそ、その違いをお話しさせて下さい。
一般的に帽子のつばの芯材には硬いポリエチレンの発泡シートが使われていることが多く、この芯材は硬いですので形状をしっかりと安定させるのには向きますが、折り畳む事はできませんし、仮に折り曲げると折跡から割れてくる事もあります。重量もそれなりにあります。
まぁ、普通の生活で使用していて折り畳む事や、帽子自体に軽さを求める事はあまりありませんよね。
しかし、バイクパッキングやファストハイクなど、軽さや携帯性が重要視されるシーンではこれらは大正義です。
そういった需要を知ってか知らずか、最近になって軽くしなやか、しかも形をキープし易い新しい素材がメーカーさんから少しずつ出てきています。昔のベースボールキャップの芯材は厚紙を使っていたと言いますから、素材も日進月歩、進化しています。
軽さや携帯性の話に戻ると、それなら芯はフニャフニャで、むしろ芯の入っていないものでも良いのでは...
そう考える方が出てくるのもごもっともで、velo spica でもこれまで不織布芯材(←芯の入っていない状態)、スポンジ状の柔らかい芯材や発泡シート(ポリオレフィンフォーム)、更にはこれらを組み合わせたり、硬さや厚みを変えてみたり、挟み込んだり、貼り合わせたりetc.....
色々と試行錯誤しながら、素材や形状に合わせ沢山の芯材を使い分けてきました。
見た目には見えない部分の苦労です(涙
先述のハイカーさんにとっては軽く柔らかく畳めるものが好まれますので、芯材もそういったものを使うのがベターなのですが、そうすると 今度は柔らか過ぎて velo spica のキャップの特徴の一つである "フリップアップ " (ツバの跳ね上げ・下げ)がキッチリ決まらなくなります。
特にヘルメットを着用した状態ですと、フリップアップしても上がった状態をキープするのは難しくなります。ヘルメットに押されてツバは簡単に下がってしまうからです。
そういった経緯でこれまでの P.S.C Cap 始め、velo spica では芯材の下面(おでこに触れる方)が柔らかく、上面(ヘルメットが当たる方)が硬い芯材を貼り合わせた2層構造の作りになっていました。こうする事で、しっかりとしたフリップアップを可能にしていました。
つまり従来 P.S.C Capの芯材もコンパクトさとフリップアップ機能の両立を図って作られていた訳です。
これまでのツバから新しいツバ "FLEX VISOR" へ
ここでやっと新しい芯材を使った"FLEX VISOR"のお話しになります。
前置きが長くてすいません。
新しい芯材は、今までの2層構造のツバ芯から進化して1層構造でありながら、フリップアップに必要なある程度の硬さと折り畳めて、割れる事の無い柔軟性、コンパクトさ、軽さ、そして曲げた時に形をキープし易い形状安定性に優れた素材です。

↑ 新しい芯材は velo spica が求める要件にぴったりの素材。

↑ 一般的な帽子の芯材の1/3以上軽量。

↑ 指でカーブを簡単に付けられ、カーブがそのまま安定する。

↑ しっかりとフリップアップをキープ出来る。
このフリップアップ(ツバの跳ね上げ、下げ)という機能はそもそもサイクルキャップから踏襲した機能です。
サイクルキャップは自転車で走ったときに風に飛ばされないよう極端に短いツバ、視界を広げたいときに簡単にツバを跳ね上げられるような独特の作りが特徴です。
そういう意味においては P.S.C Cap はこの "サイクルキャップとしての本来の目的" からブレず、その上で様々なアウトドアシーンでも使えるように、素材やディテール、パターンに至るまで、もちろん今回ご紹介した芯材など、その全てを上手くアレンジしながら作っているモデルです。
巷に溢れるショートバイザー系のものが、どこまでその作りに意味があるか知りませんが(そもそのキャンパーがツバが短いキャップを被る意味も良く分かりません。最近は背面をドローコードアジャスターにしているキャップもちらほら見るようになりました。サイクルキャップじゃ無いのに後ろゴムである必要がどれほどあるのか...頭に関節でもあるのか、それとも頭の大きさが極端に変わるのか?)、velo spica の P.S.C Cap は流行り廃れとは別のベクトルで作られているモデルです。それが、velo spica のサイクルキャップラインのフラッグシップモデルである所以です。
velo spica が元々サイクルキャップ専業メーカーだった事を知らないユーザーさんも最近増えてきています。
色々な方にかぶって頂けることはとても光栄な事ですし、心から嬉しく思います。
しかしここ(P.S.C Cap =サイクルキャップ)こそが velo spica のルーツであり、ずっ大事に作り続けているスタイルだと、改めて知って頂ければ、より velo spica を楽しんで頂けると思っております。
