2025/12/03 01:15
velo spica にはサイクリングキャップモデルが2種類あります。
一つは、サイクリングキャップのフラッグシップモデル『P.S.C Cap』。
もう一つが、今回のタイトルにもある 『The Cycling Cap』です。
velo spica はサイクリングキャップ専門のメーカーとしてスタートしました。
2014年前後、ハイクやトレイルランニングなどアウトドアシーンからのオファーが増えたことをきっかけにそれに対応すべく作ったのが『P.S.C Cap』 です。ですので、今までのサイクリングキャップからアウトドア全般でも使い易いように進化させています。スポーティーな5パネルにボディは速乾性のあるサプレックスナイロン(今ではサプレックス以外のナイロン素材も沢山使っています)。メッシュもナイロン。ナイロンはポリに比べ、汗の匂いが付きにくかったので選びました。
背面はリフレクター糸の入ったバンジーコードアジャスター。
今でこそこの背面がゴムコードで調整できるキャップは多く見られるようになりましたが、その時はかなり珍しい仕様でした。

実際、当時私自身で作ったこの仕様のサンプルを工場に持ち込んだとき、これを見た職人さんや工場さんは、この仕様は意味がないからやめた方が良い、とも言われました。それもそのはず、頭に固定するならゴムである必要はありませんし、伸び縮みするのが良い、と言っても頭に関節はありませんので、そりゃそうだといった感じです。
では、なんで背面をバンジーコード仕様にしたかというと、ちゃんと理由がありました。
まず第一に、元々作っていたサイクリングはゴム調整が当たり前だったから。

↑ 背面部分の内側にゴムが縫い込んであり、背面パネルが伸縮する。昔ながらのサイクリングキャップはほぼこの仕様。
とは言ってもこのタイプ、髪が長いと脱げやすかったり、キツかったり、逆に緩かったりと調整の機能としては残念過ぎるものでした。ですので『P.S.C Cap』では、この部分を大きく変更する必要がありました。
そして、もう一つゴムにするべき理由は、ツバの跳ね上げ機能にあります。
サイクリングキャップと言えば、つばをフリップアップして被れるのが特徴でもあります。
このフリップアップは、帽子の被り心地にある程度テンションがかかっていた方が、つばが上がり易くなります。逆に緩いとうまく上がりません。
ですので、どうしてもテンションが必要だった訳です。
当時長髪だった私は、束ねた髪を背面から出せて、しっかり調整も出来る(色々な頭の形の人に合う)仕様にしたいと考え、結果この仕様に行き着きました。
そんな『P.S.C Cap』は、今では国内外で人気の、velo spica を代表するアイテムとなりました。
その一方、昔ながらのサイクリングキャップへの愛着は捨てられずにいました。
月日は流れ、2022年。沢山のアウトドアギアブランドとのコラボなどで培った経験を元に、原点回帰もう一度、昔ながらのサイクリングキャップを作ることにしました。古き良き雰囲気を踏襲しつつも、より良い最新の素材、万人に被り易い仕様にアップデートして。

オーセンティックなサイクリングキャップらしく、ポリエステル昇華転写プリントによる全面デザインが目を惹きます。
また、この『The Cycling Cap』は生産の度にアップデートを重ねています。
デザイン面でも、先日入荷したShemagh Green(12/3日現在完売中)は、ツバ裏のデザインを変更しました。

一見するとアラビア文字、、、ですが、実はよく見るとカタカナで ”ヴェロ スピカ” になっています。
この『The Cycling Cap』は、元メッセンジャーのコニー君に縫製を含め手伝ってもらっています。そういった意味でも、とてもリアルなプロダクトです。
現在欠品中の Shemagh Green ですが、今月少量再入荷予定です。
是非チェックしてみて下さい。
